[社長インタビュー 後編]ビズメイツ設立エピソード、会社に込めた想い、今後のビズメイツが目指す姿について聞きました|代表取締役社長 鈴木 伸明
ビズメイツは「もっと多くのビジネスパーソンが世界で活躍するために」というゆるぎないミッションのもと事業展開をしています。約3年で社員は7倍に増え、国籍や経験など様々なバックグラウンドを持ったメンバーが働いています。
今回は、社長の鈴木にインタビュー。後編です。
ビズメイツ設立時の裏話やビズメイツのミッション&ビジョンに込めた想い、今後目指す会社について幅広く聞きました。
#この記事に登場する人
代表取締役社長 鈴木 伸明:
2000年、青山学院大学経済学部を卒業後、金融事業会社を経て、2007年ヤフー株式会社に入社。モバイル事業部、R&D統括本部にてKPI分析、事業計画策定などに従事。2009年ベルリッツ・ジャパン株式会社に入社し、社長室アシスタント・マネージャーとして経営企画業務全般を担当。その後同社のWEBマーケティングおよび法人マーケティングの推進リーダーを歴任し、2012年6月、同社を退社。同年7月にビズメイツ株式会社を設立、代表取締役に就任。
ビズメイツの設立に向けて
共同創業者 伊藤日加との関係とは?
ビズメイツは、鈴木さんだけではなく、伊藤日加さん(以下、Hikaと表記)と共同で創業されていますが、Hikaさんとはベルリッツ時代から仲が良かったのですか?
鈴木:
いや、実はそれが全然。(笑)
ベルリッツ勤務時代には2~3回、一緒にランチに行ったことがあるくらいで特別仲が良いというわけではありませんでしたね。ただ、起業して現在のBizmatesのサービスを立ち上げようと思ったときに、僕の中では「このビジネスを一緒にするならHikaしかいない!」という想いが強くありました。Hikaにふと、「こういうサービスを作りたい、会社を立ち上げたいんだ」と話をしたら「それ面白そうだから本気でやりたい!」と乗ってくれて、そこからはとんとん拍子で起業の話が進んでいきましたね。
後々話を聞いていくと、当時ベルリッツで教材開発担当をしていたHika自身も、今後のキャリアについて悩んでいたようです。これまでベルリッツで築き上げたノウハウを活かして、自分自身で事業を起こしたいという想いもありながらも、日本語がネイティブではないというところでハンディを感じており(Hikaさんカナダ生まれの日系カナダ人)、日本で起業するということに対して一歩踏み出せていなかったようです。
そこで僕からタイミング良く声がかかり、一緒に起業することとなりました。
そしてお互いに色々と話し合った上で、「優秀なトレーナーを採用するなら、やっぱりフィリピンだよね」と意見が一致し、進んでいきました。
ディスカッションしていく中で、Hikaから「鈴木さん、やっぱりこれからは英語じゃなくて中国語を教えるサービスがいいと思うんだよね」と言われたこともありました。中国語だったらHikaに声かけてないよと心の中で思いながら、うまく説得し、なんとか今の「Bizmates」の形にこぎつけました。(笑)
なぜ、フィリピンだったのですか?
鈴木:
英語が公用語であること、ビジネス経験豊富で優秀なトレーナーが採用しやすいこと、フィリピンの経済事情から日本の受講生に魅力的な価格でサービスを提供できること、といった理由から、フィリピンが一番マッチすると思ったんです。
フィリピン人のトレーナーとしての国民的な資質を感じていた点も大きかったです。フィリピン人は全体的にホスピタリティが高く、明るい人柄の方が多い。これはレッスンを提供する上でとても重要な素養だと思います。
また、フィリピンの経済事情として、現地でMBAや博士号などを持っている人ですら、仕事を探しているという状況があります。フィリピン国内に仕事が少なく、1人で複数の仕事をするのは当たりまえという文化なので、トレーナーの採用もしやすい。複合的な要因を考えると、フィリピンを越える国はなく、ベストな選択だったと思っています。
しかもフィリピン人の平均年齢は24歳で、日本人の平均年齢より20歳以上も若いんですね。人口ピラミッド的にも、これから優秀な人がどんどん増えていくフェーズであり、今後弊社の受講生がどんどん増えていったとしても、当分トレーナー不足で困ることはないと思っています。
流暢な英語を話せるというだけではなく、フィリピンの方々の国民性や経済状況まで背景にあったのですね。「Bizmates」サービスを作るとなった際、フィリピンに知り合いはいたのですか?
鈴木:
私自身は直接的な知り合いがいなかったのですが、Hikaがベルリッツで一緒の教室で働いていた優秀な人を思い出し、(彼女は既にフィリピンに帰国していたため)同僚伝いで連絡を取ったのが、現在のBizmates PhilippinesのChief Operating Officer(COO)であるアンナ マリア フランシスコ(以下、ミネットと表記※1)でした。
※1 ミネット:Bizmates Philippines COO アンナ マリア フランシスコのニックネーム
ミネットもちょうどその当時、勤めていたフィリピンの大学の学部長の任期が終了するタイミングで、面白そうと興味を持ってくれました。「もう少し待ってくれればフリーになるから一緒にやりましょう!」という話になり、一緒に起業することになりました。
本当に色々な人の、色々なタイミングが良かったんですね。
鈴木:
そうですね。本当にご縁とタイミングが繋がったなと思っています。
結果的に2012年7月に会社を立ち上げ、当時は僕が経営全般やマーケティング、Hikaが教材作りやクオリティ管理の仕組みづくり、ミネットがフィリピンのトレーナー採用やオペレーション構築周りをやって…という感じで進めることになりました。
ビズメイツのミッション&ビジョン、サービスコンセプトに込めた想いとは
前編の最後に、「こんなコンセプトのサービスなら、ぜひ自分がやりたい。友人にも自信をもってお勧めできる」とおっしゃっていましたが、どんな点がそう思われたのでしょうか?また、ミッションやビジョンに込められた想いがありましたら教えてください。
#ビズメイツ ミッション&ビジョン
ミッション「もっと多くのビジネスパーソンが世界で活躍するために」
ビジョン「グローバルタレント・企業の成長支援を担う次世代カンパニー」
鈴木:
まず、サービスコンセプトについて言うと、「Bizmates」は単なる英会話スクールではありません。ゴールは「ビジネスで成果を上げること」なので、英語力を高めることだけを目的とした英会話スクールとは一線を画したサービスと思っています。その点で言うと、当時勤めていたベルリッツも「ビジネスに強い」とは言われていたけれど、やっぱり”英会話スクール”だったんです。
そしてミッションには2つのポイントがあります。
1つ目は、数としての”もっとたくさん”
一般的に通学型英会話スクールのマンツーマンレッスンは1レッスンあたり数千円します。その価格帯だと、限られた人しか継続して受講することができない。日本においてかなりたくさんの人がビジネスで成果を上げるための英会話スキルが必要とされているなかで、「もっとたくさんの人に継続して受講してもらえるサービスって、どうあるべきだっけ?」という視点で作ったサービスであるということです。
2つ目は、「世界で活躍することを目的」としたコンセプトであること。
「英語を話せる人を増やす」ことがゴールなのではなく、「どれだけ世界で、グローバルに活躍できる人を増やせるか」に重きをおいているわけですね。
ビズメイツは、会社を設立してから2017年までは、オンライン英会話サービスだけを展開していました。事業を多角化しはじめる“きっかけ”となったのが、2017年のベトナム出張でした。現地でガイドしてくれた日本語を話せるベトナム人の方から、「鈴木さんはフィリピンと日本を繋ぐ仕事をしていて素晴らしいですよね。僕は将来ベトナムと日本を繋ぐ仕事を出来たらいいなと思っているんです」といわれたんです。
その言葉を聞いて、確かに「Bizmates」を通じて”オンライン”で受講生とトレーナーは繋いでいるけれど、フィリピンから日本に来てもらったり、その逆も含め、もっと“リアルに繋ぐ”架け橋となる役割を果たせるのではないか、という発想から生まれたのが「G Talent」※2 でした。
※2「G Talent」:国籍を越えた“多様な人材=グローバルITタレントの転職をサポートし、日本企業に紹介する人材紹介サービス
「G Talent」サービス誕生とともに新たに打ち出したビジョン
鈴木:
「G Talent」は、”外国人×IT”の人材紹介サービスですが、そのコンセプトに辿り着いた背景は、当時弊社が抱えていた悩みや課題がベースになっています。
2017年、弊社はサービスのシステム基盤を再構築すべく、その開発を外注して進めていたのですが、ローンチ日が半年以上遅れただけでなく、いざシステムを入れ替えたら不具合がかなり発生し、お客様にも大変ご迷惑をおかけしてしまったんです。当時、プログラミングができるエンジニアは社内にたった一人で、約1週間は会社に泊まり込んで対応してもらいました。そんな状況は2度起こしてはならないと、エンジニアチームを内製化していくことを決めたんです。
ところが、当時のビズメイツは今より小さな会社だったので、エージェントに依頼してもなかなか人を紹介してもらえず、採用が本当に難しかったんです。それでもなんとか良い人材を採用したい、という気持ちから“社内をもっとグローバル化しよう”と思い立ち、外国籍の人材を積極的に採用していこうと決めたところ、どんどん採用できるようになったんです。
社内をグローバル化することで多様性を生み出し、テクノロジーを活用することでイノベーションや業務効率化が進み、結果としてより優秀な人材を集められるようになり、会社も成長していく、という好循環を生み出していくことになったわけです。
「G Talent」は「人×グローバル×IT」をキーワードとしたコンセプトのサービスです。
フィリピンと日本を繋ぐところからヒントを得て、自社の課題解決をきっかけとしてサービスがスタートし、大きな社会的課題(日本におけるIT人材不足解消)を解決できるようなサービスとなりました。
加えて、言語や文化の壁をこえた相互理解を深めるためには、日本人が英語力やダイバーシティの感覚を身に着けるだけでなく、外国人ももっと日本の文化を理解し、日本ならではのコミュニケーションスタイルを身に着ける必要がある。そうした想いから「Zipan」※3 を立ち上げ、”グローバルタレントと企業の成長支援カンパニー”というビジョンのもと、今まさに会社をどんどん成長させていこうとするフェーズにあります。
※3 Zipan:外国人が日本の会社で活躍することを目的としたオンライン日本語サービス
面白いですね、全てが繋がっているんだなと思います。
鈴木:
会社を設立したときのミッションはずっと変わっていません。
「もっと多くのビジネスパーソンが世界で活躍するために」は「Bizmates」「Zipan」「G Talent」全ての事業に絡んでいる考えといえます。
“儲かるビジネス”ありきで事業構築をしていく会社は少なくないと思いますが、ビズメイツはコアな考え=ミッションを変えることなく、事業を多角化し広がりを持たせてきたという点は弊社の強みであり、大きな魅力の一つだと思っています。
では、最後に鈴木さんの中で、「こういう会社にしていきたい」と目指しているところがありましたら教えてください
鈴木:
キーワードは「成長」ですね。
サービスを利用されている受講生の方や、ご導入いただいているクライアント様の成長はもちろんですが、ビズメイツで働く社員自身も、成長を求めて入社し、キラキラ輝いてもらいたいと思っています。その為にも、社員が成長出来る環境をつくっていくことは大事だと考えています。
社員それぞれが成長すれば、会社も成長していきますし、そうなると報酬やポジションは自然とついてきて、やりがいのある仕事にも携われるようになる。結果として毎日楽しく生きられるようになって、人生も豊かになると思うんですね。「ビズメイツって、キラキラしていて成長楽しんでいる人の集まりですね」と言っていただけるような組織にしていきたいです。
社員一人一人が自分の仕事に誇りを持ち、どんどん成長している環境はお互いに切磋琢磨できるし、それが会社の成長に繋がりますもんね。
【番外編】
「Bizmates」は、Twitterで受講記録を発信してくださっている方々が本当に多いですよね。見ていて、凄く嬉しいなといつも思っているのですが、それについてはどう思われていますか?
鈴木:
「Bizmates」というサービスを愛し、成長を楽しんで受講してくださっているコアなファンが沢山いらっしゃって、本当に嬉しいです。凄く思い入れをもって受講していただいてるなと感じています。
それは、Hika、キョウタ、ジャスティンなどの商品開発をしているメンバーが、レッスン動画やコーチング動画、Youtube動画などに自ら出演していることも、「Bizmates」を身近に感じて貰えている要因の一つ、と思っています。人が見えるサービスとなっている点は、弊社の強みだと思いますね。
いかがでしたか?インタビュー前編、後編を通して、ビズメイツのミッション&ビジョン、そしてサービスに込められた想いなどを知っていただけたのではないでしょうか?
次回は鈴木とともに会社を共同創業した、伊藤日加のインタビューをお届け予定です。次回の更新をお楽しみに!最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
▶前編はこちらからご覧ください