【エンジニアインタビュー】外国人ITエキスパート専門のダイレクトリクルーティングプラットフォーム『GitTap』開発プロジェクト
ビズメイツでは2020年11月に外国人ITエンジニアと日本企業のマッチングプラットフォーム『GitTap』サービスをリリースしました。
今回は『GitTap』についての簡単なご紹介と、『GitTap』プロジェクトに携わったエンジニア&プロジェクトマネージャーのインタビューをお届け。これまでなかなかお伝えが出来なった、弊社のプロダクト開発やエンジニアの仕事の様子をご紹介します。
※この記事は、新型コロナウイルス感染拡大に十分配慮しマスク着用、十分な距離を取ったうえでインタビューを行っております。
『GitTap』とは
日本で就職したい外国ITエンジニアが集まるダイレクトリクルーティングプラットフォーム。国内の企業への就職を希望する厳選された優秀な外国人ITエンジニアを直接発掘・獲得することが可能なサービスです。外国籍の雇用を考えている企業にとっては、求人作成を支援したり英語化したりすることも簡単にできるため、外国人が日本で就職をする際に起こりがちな情報格差を一気になくし、ミスマッチを大きく軽減させることができます。
クロスボーダーな採用を加速させる、『GitTap』のサービス特徴
『GitTap』サービス誕生の背景
①日本のIT人材不足
DX推進や業務の効率化といった変革が求められる一方で、経済産業省が行った調査によると、日本では2030 年には最大79 万人のIT 人材の不足が見込まれる為、それらを解決すべく立ち上げ。
②ビズメイツの原体験
数年前にビズメイツが社内でエンジニアを行った際に外国籍の人材を積極的に採用。 社内をグローバル化することで多様性を生み出し、テクノロジーを活用することでイノベーションや業務効率化が進み、結果としてより優秀な人材を集め、会社も成長していくことが出来たという原体験があります。
#この記事に登場する人
石動:
『GitTap』プロジェクトマネージャーとして、 事業側と開発との懸け橋的役割を担う。
辻野:
GitTap開発チームのリーダー。
『GitTap』プロジェクトでは、 ビズメイツジャパンとフィリピンのエンジニアメンバー4~5名をまとめる。
アニク:
エンジニア、バングラデシュ出身。自分自身の日本での就職活動経験も活かしたいと『GitTap』プロジェクトに参加。
(辻野、アニクに質問)2020年1月よりこの『GitTap』開発プロジェクトがスタートしましたが、これまで『Bizmates』サービスのエンジニアをされていたお二人。新たな、そして『Bizmates』とは全く異なるサービスに携わることになったかと思いますが、どんな気持ちでこのプロジェクトに異動されましたか?
辻野:
新しいサービスを作るのは楽しそうだなと思いました。 ただ、日本側のエンジニアはアニクと私だけだったので、フィリピンのリソースをフル活用しながら開発をしていくという点では、上手くいくのかなという不安もありました。
ビズメイツのエンジニアチームはフィリピン子会社のエンジニアチームと連携しながら社内の全てのサービスに関わる開発、保守を行っています。これまでも『Bizmates』の開発業務の中でフィリピンとの関わりはあったものの、よりたくさんフィリピンのメンバーを巻き込みながら進めていく必要があったので、自分自身の英語力も含めてやや不安でした。
アニク:
新しいサービスをを作っていくのは楽しそうだなとワクワクしました。
元々『GitTap』のアイデアがあることは知っていて自分自身が外国人として日本で仕事を探してフラストレーションを感じた経験もあったので、その経験も活かして開発が出来るのではないかと思いましたね。『GitTap』のようなサービスがあればいいのにと思っていたので、凄く前向きにジョインしました!
『GitTap』の開発手法に関して具体的なお話を伺っていきたいと思いますが、開発言語の選定はどのように進めていったのですか?
辻野:
スクラムマスターはフィリピンにおりましたが、日本側で基本方針を決めて、それをフィリピンのメンバーにこれでいいよね?と確認しながら進めました。
結果、
サーバサイド PHP7.4(Laravel 6)
フロントエンド Vue 2
2.6 インフラ AWS+Docker を使用することに。
ビスメイツのエンジニア全体としては、古い技術を使わずに新しい技術を積極的に使っていこうという方針です。
とはいえ、新しくて馴染みがない言語を使用して開発スピードが落ちるのは本末転倒だよね、という考え方で選びました。
また、ビズメイツの技術システムはほとんどがPHPで作られているので、迷わずPHP。そしてインフラはAWSです。 メンテナンスも考えると、メンバーになじみがありながらも最新のものをとバックエンド、サーバーサイドのプログラムで当時の最新のものを使用しました。 フロントエンドに関しては、アニメーションやデザインを実現するためにJavascript。
実現するためのフレームワーク、求めるUIを実現しやすいこと、メンバーの知見なども考えるとVue 2という形で選びました。
GitTap開発チームのリーダー、辻野
開発において、日本側で取りまとめるような形だったかと思いますがどのような役割分担で進めていたのでしょうか。
辻野:
プロダクトオーナー、スクラムマスター、私、アニク、フィリピン開発メンバー(4~5名)という構成でした。
先ほど日本で基本方針を決めてフィリピンに共有&確認するとお話しましたが、
日本とフィリピンの間に上下関係のようなものは設定したくなかったので、開発方針のディスカッションやモノができたときのコードレビューでは全員が意見を言えるように工夫しました。
お互いの共通言語である英語が、敬語を意識しない言語だからこそ、こうしたほうがいいんじゃないとフラットに言えたのは良かったですね。あとは、お互い第二言語としての英語だったことも良かった点だと思います。 とはいえ、方針やルールなど日本側で設定した方が良いものについては、私が日本のエンジニアのリーダーポジションということもあり、設定しながら進めていきました。
開発を進めていくうえで印象的だったこと、大変だったことがありましたら教えてください。
辻野:
今回の『GitTap』はプロジェクトに関わる全員にとって初めての取り組みでした。
事業開発側の石動さんたちも含めて7~8名のチームでしたが、大きすぎないチームの規模で『GitTap』という1つのものに向かてコミュニケーションを密に取りながら進められた点は良かったなと思っています。
私が英語力に自信が無かったこともあり、ディスカッションでどのように進めていくかは大変でしたね。特に「決定事項」と「持ち越し事項」をきちんと整理して伝える点に特に苦労しました。「これは決定事項」「これは持ち越し事項で○○さんが調べる」とか、ちゃんと整理して伝えないといけない。何度も同じ話をすることになってしまうので。
あとは、似たような話ですが、Want、Mustをちゃんと伝えないといけないなと。「できれば」なのか「やって欲しい」のか、「やらないとダメ」なのかはちゃんと意識して使い分ける表現をしないといけないなと思うようになり、慣れてきてからはどんどんテンプレート化していました。
アニク:
大枠の進め方として、スクラム開発で2週間の短いゴールを持って進めていたので、コミュニケーションロスやバグが起きてしまったとしても、短い期間で見直し、修正しながら進めるのは良かったなと思っています。
アニク 日本で働く外国人エンジニアとしての自身の経験を活かしたいとこのプロジェクトに参加
よく、辻野さんやアニクさんが自席で英語を使用したミーティングに参加されているなと思っていました。
辻野:
まさにそれもコミュニケーションの1つで、その場でオンラインで繋いで話ながらフィリピンメンバーと簡単な打ち合せもしていました。
このプロジェクトに参画前は『Bizmates』の開発を担当していて、フィリピンとの打ち合わせなどはありましたが、ここまでリアルタイムにという感じではなかったので圧倒的に英語の使用頻度は上がってますね。エンジニアチームは週1で『English Day』※3がありますが、今や毎日の大半のチャットが英語ですし、毎日『English Day』になりました
※3『English Day』:エンジニアメンバーが行っている、英語を使って業務を行う日。Bizmates Philippinesと共同で開発を行うため、英語に慣れるようにと週1回日本のメンバー同士も英語を使用して仕事をしている
石動:
辻野さん絶対、英語力、スピーキング上がってますよね。
辻野:
実はここだけの裏話ですが、週に数回Bizmatesレッスンを受けていました!笑
石動:
Bizmatesレッスン受けながら英語力上げて実際に業務で生かしてるなんてビズメイツにとっては最高の循環ですね!笑
エンジニア同士で開発手法について決めていく際、意見が分かれることは起きませんでしたか?
辻野:
ありました笑 でも、喧嘩になるようなものはないです。
オンライン会議をセットして、言葉だけで話しても全然イメージしているものが違ったりもする時もあるので、意見がある人がプロトタイプやこんな手法でやるという具体的なイメージをもって話すようにお互い心掛けて、議論にあまり時間を使いすぎないようにしました。議論が長引きそうな場合には、具体案を持っている人に任せることもありました。最終的に決まらないようなときには、僕が決めてしまったり、進めてみないとわからなかったりする時は本当に自信を持っているメンバーに任せてまずは進めてみたりしていましたね。理由としては、先ほど「上下関係を作りたくない」と言いましたけど、日本側から指示しすぎてフィリピンメンバーのモチベーションを下げたくなかったので、全員でなるべくチャレンジしてもらった方が、僕自身も参考になったり、活動が活発になるなと思っていたからですね。
開発側で今後『GitTap』でやっていきたいこと注力したいことはありますか?
辻野:
今回初めての体制で、いい形でコミュニケーションを取りながら進めて作ることができたと思っています。ですが、常に新しい物を作るというところに注力していくと、出来上がってみたら、使っていないものとか、同じプログラムが存在していたりとかもするので、いかにここをきれいにしていくか。開発側の課題かなと思いますし取り組んでいきたいと思いますね。
今までは、ターゲットに向けたスピードを重視していましたが、もうサービスをローンチしたので、安定した品質、安定したサービス提供をしていかないといけない。そことスピードを両立していかないといけないと思います。機能的な改善提案も含めて、双方向で良い物を作っていきたいなと思っています。
アニク:
あとは、求職者、企業側の動きをもっと分析して、よりマッチ度の高い求人情報、人材情報を提供していけたらと思いますね。
辻野:
エンジニアが使うサービスだからこそ、よりスムーズなUI、UXにしたいと思って作っています。利用者であるエンジニアの方から「サイトこうした方がいいですよ」と意見をいただくこともあります。エンジニア、デザイナーから見てもいいサービスだなと思ってもらったり、信頼されたり、そこからサービスの価値を感じてもらえたりしたらいいですよね。
あとは、採用する企業にとっていかに使いやすいサービスにするかも大切です。求職者、企業にどちらにとっても痒いところに手が届くサービスにしていきたいですね。
いかがでしたか?
少しでも弊社エンジニアの開発の様子が伝われば嬉しいです。最後まで読んでいただきありがとうございました!